日記っぽくしたかった
8月31日は日比谷野外音楽堂に野音でキセル2015を観に行った。その日はずっと小雨が降っていて、まわりがフェスに毎年欠かさず行ってそうなカラフルでオシャレなアウトドアファッション(カタカナが多い)に身を包んだオシャレカップルだらけで、なんの準備もして来なくて500円で買った明らかに100均以下のクオリティのカッパを着た私は心がだいぶボキボキになったけど、はじまったらそのカラフルな群衆も美しく揺れて、濡れた石の椅子、ステージの壁を照らす柔らかな照明、顔を湿らす雨粒も徐々に暗くなるグレーの空も、見た事ない鉄の板みたいな楽器から奏でられる音やギター、その滲んでく空気に融けていく辻村兄弟の歌声、その全部が美しく、来てよかったなーと月並みに思った。
全てのクズ共のために
毎日を美しくしたい
真夏の彩度のお台場に好きなアイドルとバンドのツーマンを観に行った、でんぱ組.incかがやきツアーファイナル、でんぱ組.inc×サンボマスター。
1週間くらい前から体調をドン崩しており胃液はむせ返るし、人にも会ってないし楽しいこと嬉しいことも全くなく、自分の頭の中だけで毎日最悪のシチュエーションを繰り返してつまんない言葉しか生み出せない、とくに何があったわけでもないんなけどなんだかとにかくとにかくとにかく毎日気持ちが悪くってしょうがないし誰とも何も話したくないし誰にもわかって欲しくないし最低だ早くどっかに行きたいし、こんな体調でオールスタンディングとか不安だったけどどうにも揉みくちゃにされなきゃもうどうにかなりそうだったので薬を飲んで無理矢理出かけた。
水曜日
東京の空を見上げる
やっぱり東京が好きだ。
シベリア鉄道乗り換え
頭に花の輪っかを巻いている女の子、カップル、10代、すんとした顔の人、解放された空間にビビりながら暗い気持ちだけ抱えて時間が来るのを待って、時間になって現れた峯田和伸は白っちゃけた空の下で一等綺麗だった。
いつもいつもスピードが合わないと思う、歩くのが遅い、人の歩く速さに追いつけない、覚えるのに時間がかかる、母にはいつも愚鈍だと怒られる、自分の怠りのせいだと言われるし自分でもそうだと思う、好きな歌も漫画も本も全部全部自分とはスピードが合わない、全部遠いところの話だと思ってそういうとこが好きでもあるんだけどいつも仲間はずれの、時々話してはくれても2人で外では遊んではくれないクラスメートのことはいつだって大好きだったし大嫌いだった。社会人になってほんとにスピードが追いつけないって毎日思う、かっこいい友人達、ちゃんとした大人、先輩、全部また遠くなって本当に全然追いつけない。生垣に自転車で突っ込みたいのも地面を転がりたいのも大袈裟でもなんでもなくって、超高速で変わってく君達にいつも追いつきたいのは仲間はずれが一番嫌だなと思っちゃうからで、中学生の頃、まわりに必死で合わせてなんでもないような顔でいたのも、本当はひとりでいるのはなんでもないことで、でもそれを先生に見つかってかわいそうと思われるのはどうしても耐えられなくってなんでもないような顔で毎日毎日必死でくだらなかったな。
大人になってからはじめて聴いた銀杏BOYZの銀河鉄道の夜を聴いた時、はじめてスピードが合うような気がした。(ゴイステのは知ってたけどこっちのが合ってるように思った)世界がスローになる瞬間が確かにあってその時だけスピードが合う。
1人でボーイズと名乗る峯田の背景には白い布に薄水の空が透けて、東北へ向かう新幹線が時折走った。罵倒を祈りと言い、罪を歌うと言った峯田の声は生まれて育った埼玉の、高校の最寄りの駅の忌々しいコンクリートと、蛙の腹みたいなさいたまスーパーアリーナの屋根に滲んで、瞬きも許されず、ずっと世界が止まってるみたいだった。
ところでここしばらくでんぱ組.incが好きなんですけど、先日行われたアルバムのツアーで地元に来てくれて。結構な前の席で、そんな近くで彼女らを見たのは初めてなんだけど、みどりのサイリウムを振ってると、見てくれるんですよ夢眠ねむさんがこっちを、それでふわっと笑ってくれたりするんです(こっち見たって錯覚かもしんないけどさあ)。それでもうこれはすごいと思って、これがアイドルかって、だってこんなステージ上の女の子に微笑まれて恋でもないのに少女漫画よろしく胸がキュンとしたりすることある?!っつー、足元がふわっとしてねむさんのまわりの空気がピンク色に柔らかくなって目の奥が熱くなる、ステージ上の人にその一瞬心を奪われるっていうその瞬間の速度は確かにスローモーションですごい!ねむさんが笑うと時間がふわってなるんだよ、ねむさんすごい。魔法少女未満の魔法の強さ半端じゃない。スローモーションの時は気持ち悪いことを言うとちょっと神様みたいに思うけどそれって自分の心に住みついた時点でちょっと偶像だな、アイドルとはよく言ったものだな、アイドルはすごい!
なんか似てると思ってアイドルの話も入れたけどあんま関係なかったかもしらない。いや峯田もねむさんも、心にちょっと住み着いたらそれでもうやってける感じしたのが似てると思ったんだよなあ。
全部全部全部のスピードについていけなくても持久走で最後のグループでも寄り添うスピードのものは確かにあるなら大丈夫な気がしてきてて、それって偶像以外にも、信頼出来る人と話してる時とか腑に落ちた瞬間とかにも潜んでる感じがあって、それは偶像でなく実像でシャッター切るみたいに焼き付けて、心臓に近い場所で何度でもスローに再生するんだろうな。
アンコールで出てきた峯田の下手くそなラップで時間ちょっと動いてそのまま月曜日まで眠って、そのまま日曜日のスローバラードを歌うよ。
輝き始めたショッピングモール
下北沢に行く時は小田急線から曽我部恵一BANDの魔法のバスに乗ってを聴く、ゴキゲンにちょっと浮かれなきゃ気負いしてしまう街だとずっと思ってて、いつもほんのちょっと無理してテンションをあげる。
下北沢大興行に行ってきた。8時半頃に起きて仕事の疲れも取れてないし眠すぎてもう午後から行こうかなとか思ったけどなんとか家を出て自転車飛ばして駅のホームでサンドイッチ食べて(品がないけど駅のホームで冷たいサンドイッチ食べるのがとても好き)1時間半くらい電車にゆられて南口出て銀行前に人がたくさん、見知った友達が何人か、話してるうちにまた何人か増えてっていういつものようなことがあんまりない午前にある新鮮さでちょっと浮かれながらリバティに並んだ。
ライブの細かい感想はいつもうまく書けないので書かないけど(1日目は磁石寄席スパローズ寄席かもめんたる寄席アルコ&ピース寄席、2日目はハマカーン寄席と本屋でとにかく大喜利をするライブを観ました)皆様と同じく色々思うとこあったけど好きな人達の名前がついたライブ名が嬉しかったし、やっぱり好きな人達はめちゃくちゃおもしろく、知らなかったけどめちゃくちゃおもしろかった人達もいっぱいいてトータル昼間からこんなにライブ観れてすごく楽しかった(アルコ&ピース寄席がとくに好きでした)スパローズ森田さんがいない寂しさはめちゃあったけど!!!!!
ライブの楽しさもあるし、遠方から来られた友達とかお笑い好きになった頃知り合った友達とか普段の面々とか、昼間の街を歩くだけでちらほら遭遇したりしてそれがすごく楽しかった、隙間の時間持て余してカラオケしたりダラダラ時間潰す感じとかも学生時代っぽかったし、友達と店にいたら別の友達が偶然やってくる感じとか、晩御飯が楽しくて時計見るの忘れて終電ダッシュする感じとか。
大森靖子さんが絶対少女というアルバムの少女3号という曲の解説のなかで「結論、好きな街っていうのは好きな人がいるだけの街だ。故郷の愛媛の人は優しいんだけど、ヌルくて、私にはすごく苦しくて。東京っていうひかりに蛾のようにむらがる人達がすき」と書いていて。前は私埼玉県民だから東京が好きでいつも浮かれるのかしら、とか思ってたけどそういうことなんだろな。新宿の汚さとか変な人がいっぱいいる感じとか大嫌い、なんで大嫌いかっていうと馴染めないからって主観でしかないんだけど、でも新宿にはV-1もバティオスもプラスワンもあるから新宿のこと超好きです。高円寺も嫌いだけど座・高円寺があるから超好きだし、新大久保は本当に本当に嫌いだけどネイキッドがあるから大好きだし、下北も本当は大嫌いだけどみんなに会えるから超大好き。超大好きな街で好きな人達と好きな人達による好きなライブが一日中観れたらお祭りじゃんねー、K-PROのぶっ通し興行とかもそういう楽しさが強かった。ああ楽しかったな。街に馴染めたためしなんか一度もないしまあ人に馴染めてるかどうかもそれもよくわかりませんけど君がいればそこは東京だし悪い街でもいいのだ。